四国の宿坊おすすめ5選|お遍路で泊まれる札所と予約方法

※記事内にプロモーションが含まれています。

四国のお遍路さんのイメージ

「お遍路の途中で、宿坊に泊まってみたい」
「四国旅行のついでに、お寺に泊まれたら」

そう思って調べ始めると、たぶん一度つまずきます。

八十八ヶ所もお寺があるのだから、宿坊も選び放題だろう。わたしもそう思っていました。でも実際は、いま泊まれる宿坊は8ヶ所ほどしかありません。

しかも厄介なことに、検索して出てくる記事の多くが、もう閉業した宿坊を現役のまま載せています。旅程を組んでから電話をかけて「もうやっていないんです」と言われる。これ、実際に起きていることなんですよね。

なのでこの記事は、「予約方法」で四国の宿坊を仕分けるところから始めます。じゃらん・楽天から予約できる宿坊、電話でしか取れないけれど泊まる価値のある宿坊、そして閉じてしまった宿坊。この順で見ていくのが、いちばん迷いません。

※宿坊の営業状況は変わります。この記事を読んでいただいたうえで、最終的には必ず予約サイトもしくはお寺へ直接ご確認ください。

この記事でわかること
  • 四国八十八ヶ所で、いま実際に泊まれる宿坊の一覧と営業状況
  • じゃらん・楽天トラベルから予約できる宿坊は実質1ヶ所だけということ
  • 安楽寺・善通寺・岩本寺・仙遊寺ほか5宿坊の特徴と料金の目安
  • お遍路をしていなくても宿坊に泊まれること
  • 「通夜堂」は無料だけれど、宿坊とはまったく別のものだということ
目次

四国の宿坊はいまどうなっている?|88札所のうち泊まれるのは8ヶ所ほど

宿坊を選ぶ前に、四国の「いま」を押さえてください。ここを飛ばすと、まず古い情報にひっかかります。

コロナ禍も経て、宿坊が次々と閉業した

四国八十八ヶ所の宿坊は、もともと20ヶ寺前後にありました。歩き遍路さんが「今日はここまで」と体力に合わせて泊まれるよう、札所そのものが宿を用意してくださっていたわけですね。

それが、この数年で一気に減りました。

2番 極楽寺の宿坊は2019年に営業終了。23番 薬王寺の「温泉宿坊 薬師会館」も同じく2019年に閉業。26番 金剛頂寺・40番 観自在寺も閉業。12番焼山寺・13番大日寺・22番 平等寺・38番金剛福寺も休業中との情報があります。

理由はコロナ禍だけではありません。宿坊であっても旅館業法の基準を満たす必要があるし、食事を出すなら飲食店営業許可も要る。建物の維持費もかかる。過疎化が進む地域では、そもそも人手も集まらない。

そう考えると、いまも宿坊を続けてくださっているお寺は、相当な覚悟で運営されているのだと思います。

閉業した宿坊が、当時のままの紹介文で残っているページも多くありますので、旅程を組む際には注意深く情報を確認しましょう。

【一覧表】宿坊のある札所と予約方法

札所番号の順に並べました。徳島→高知→愛媛→香川という、お遍路の順路そのままです。「営業中」としたところも、予約時には必ずご確認ください。

このうち、じゃらんや楽天トラベルの予約サイトから予約できるのは「6番 安楽寺」のみです。安楽寺さんは夜の勤行があり、温泉もありで、ここだけは一番泊まってほしい宿坊でもあるので、予約サイトから空き状況を確認できるのは有り難いですね。

札所 宿坊名 エリア 予約方法 状況
6番 安楽寺 温泉山 安楽寺 薬師の里 徳島・上板町 営業中
7番 十楽寺 光明会館 徳島・阿波市 電話/公式フォーム
(公式サイト)
営業中
12番 焼山寺 宿坊 徳島・神山町 — 休業中との情報
13番 大日寺 宿坊 徳島市 — 休業中との情報
19番 立江寺 信徒会館 徳島・小松島市 電話(公式サイト) 営業中
22番 平等寺 — 徳島・阿南市 — 休業中との情報
2番 極楽寺 — 徳島・鳴門市 — 2019年に閉業
23番 薬王寺 薬師会館 徳島・美波町 — 2019年に閉業
24番 最御崎寺 へんろセンター 高知・室戸市 電話(公式サイト) 営業中
26番 金剛頂寺 宿坊 高知・室戸市 — 閉業
37番 岩本寺 宿坊・華蓮 高知・四万十町 電話/公式フォーム
(公式サイト)
営業中
38番 金剛福寺 宿坊 高知・土佐清水市 — 休業中との情報
40番 観自在寺 — 愛媛・愛南町 — 閉業
44番 大寶寺 宿坊 愛媛・久万高原町 電話
(情報サイト)
要確認
58番 仙遊寺 宿坊 愛媛・今治市 電話
(公式サイト)
営業中
75番 善通寺 いろは会館 香川・善通寺市 電話/公式フォーム
(公式サイト)
営業中
81番 白峯寺 宿坊 香川・坂出市 — 休業中

見ていただくとわかるとおり、じゃらん・楽天トラベルで予約できるのは6番 安楽寺実質1ヶ所だけ。あとは全部、公式サイトから電話か問い合わせフォームです。

「宿坊もネットで予約できて当たり前」と思っていると、ここでつまずくんですよね。四国の宿坊はお遍路さんの文化のなかで育ってきたので、電話予約が基本。この一点を知っているかどうかで、旅の組み立てやすさがぜんぜん違ってきます。

宿坊そのものの基礎は宿坊とは?意味・読み方・基礎知識を完全解説に、予約方法の全体像は宿坊の予約方法|じゃらん・楽天・直接予約を比較の記事にまとめています。

お遍路をしていなくても泊まれます

誤解している方がとても多いので、はっきり書いておきます。

四国の宿坊は、お遍路をしていない人でも泊まれます。白衣も納経帳も要りません。

37番 岩本寺のようにビジネス客や観光客を積極的に受け入れている宿坊もありますし、75番 善通寺の公式サイトにも「お遍路の方以外にもご宿泊いただけます」とはっきり書かれています。24番 最御崎寺のへんろセンターも、どなたでも利用可。

ただ、お遍路さんのリズムで動いていることは頭に入れておいてください。たとえば夕食は18時前後、朝は6時のお勤め、消灯も早いなど。ホテルや旅館のような自由さ・利便性を求めると、たぶん窮屈に感じます。

お寺の時間に、こちらが合わせる。そう構えて行けたら、すごくいい一泊になると思います。

【じゃらん・楽天で予約できる】四国の宿坊厳選1選

まずは、予約のハードルがいちばん低い1ヶ所から。

場所は、最初の方の徳島県、6番というお遍路のスタート直後にあります。1番 霊山寺から歩き出すと、ちょうど初日の宿になる位置なんですよね。

お遍路をしない方にとっても、徳島市内や鳴門から車で行ける距離です。四国旅行の1泊に組み込みやすい場所だと思います。

①6番 安楽寺|400年の宿坊に湧く、弘法大師の温泉

四国の宿坊でまずどこか1ヶ所、と言われたら。わたしはここを挙げます。

正式には「温泉山 安楽寺 薬師の里」。山号の「温泉山(おんせんざん)」が示すとおり、弘法大師が発見したと伝わる温泉が湧いている宿坊です。400年ものあいだ、お遍路さんの疲れを引き受けてきました。八十八ヶ所の宿坊としては最大規模といわれています。

札所・宗派第6番札所・高野山真言宗(温泉山 瑠璃光院 安楽寺)
エリア徳島県板野郡上板町
料金の目安2名1室で10,000円程度〜(じゃらん参考値・時期とプランと部屋で変動)
お風呂弘法大師ゆかりの霊泉「弘法の湯」(神経痛・筋肉痛・病後回復などに効くとされる)
客室講堂シングル・ツイン(ユニットバス付)/書院15帖(バス・トイレ付)と、新館シングル・ツイン・新館和室(バス・トイレなし/6〜7帖・10〜12帖)など。
全57室
チェックイン/アウトチェックイン14:00〜最終チェックイン18:00/アウト9:00、門限21:00
夕朝食夕食18:00/朝食7:00
お勤め夕食後に本堂で住職の法話と夜の勤行あり。基本は19:00(もしくは17:30)から、自由参加。
※法要などで休止の日あり
※時間変更となる日あり、参加したい方は事前に問い合わせ確認すると確実。
アクセスJR高徳線「板野駅」より車で約15分(徳島バス「東原」バス停より徒歩7分)
高松自動車道「板野IC」より約8.8km
※駐車場あり・約50台
予約方法じゃらん・楽天トラベル・公式サイト

この宿坊のいいところは、選べることだと思っています。

宿坊は、バス・トイレが共有である場合も多いのですが、ここではバス・トイレ付きの部屋もあります。予約サイトから見るとわかりやすいのでお好きなお部屋とプランをよく見比べましょう。

口コミを見ていると、やはり温泉の評価が突出しています。そして夜の勤行ですよね。普通は朝の勤行ですが、安楽寺の宿坊では夜です。立派な本堂で夜に体験させていただけるのは貴重な機会です。調べていていちばん惹かれたのは、そこでした。お遍路の初日に、旅の無事を祈ってから歩き出す。そういう使われ方をしてきた宿坊なんだと思います。

料金も時期とプランでけっこう動くので、じゃらん・楽天で実際の空室と価格を見てから決めてください。

🏯 料金を比較する

温泉山 安楽寺 薬師の里(6番札所)

400年の歴史をもつ、四国八十八ヶ所で最大規模の宿坊。弘法大師が発見したと伝わる温泉「弘法の湯」があります。じゃらん・楽天で空室・料金を確認できます。

※ プラン内容・料金は各予約サイト公式でご確認ください。

ちなみに次の、「7番 十楽寺 光明会館」も楽天トラベルでの掲載がありますが、現在、実質的に楽天からは予約ができません。楽天トラベルの予約カレンダーでは予約可能な日が見当たりません。一方、公式サイトの「宿泊ネット予約はこちら」を開いて、数ヶ月先までの予約可能状況を確認してみると空きが見つかります。こちらはビジネスホテルに近い建物です。

【電話・公式予約】それでも泊まる価値のある四国の宿坊4選

ここからは、じゃらん・楽天では予約できない宿坊です。電話か、公式サイトのフォームから直接。

手間はかかります。ポイントも貯まりません。それでも四国の宿坊らしさを体験できる素敵なお寺だったりします。

朝の勤行に参加できる宿坊ではぜひ参加することをおすすめします。

朝のお勤めって何をするの? という方は、朝のお勤めとは?宿坊で体験する勤行ガイドもあわせてどうぞ。

②75番 善通寺 いろは会館|弘法大師生誕の地・天然温泉と戒壇巡り

四国の宿坊で「特別な一泊」を選ぶなら、ここだと思います。

総本山善通寺は、弘法大師空海が生まれた場所とされるお寺。京都の東寺、和歌山の高野山と並ぶ「弘法大師三大霊跡」のひとつです。その広大な境内の一角にあるのが、宿坊「いろは会館」。

札所・宗派第75番札所・真言宗善通寺派 総本山
エリア香川県善通寺市(JR善通寺駅から徒歩圏)
料金1泊10,000円/1人(夕朝食付きプラン)
お風呂天然温泉「大師の里湯」(境内の地下から湧く湯)
体験朝の勤行/御影堂地下の「戒壇巡り」/写経・写仏
客室和室が中心(車いす対応の部屋あり)。風呂・洗面・トイレは共用
備品浴衣はあり。洗面具・タオルは持参が必要
休業12月25日〜1月5日/寺の行事により休業日あり
予約方法電話のみ(9:00〜17:00)※1名から可

「戒壇巡り」などもあるので善通寺はゆっくりと拝観してみるとよいでしょう。御影堂の地下、真っ暗な回廊を壁づたいに歩いていく。文字どおり一寸先も見えない闇のなかを進んで、弘法大師とご縁を結ぶことができます。

境内から天然温泉が湧いているんですよね。贅沢だと思います。ただし入浴時間は夕方から夜までと短めなので、チェックイン後に早めに入ってしまうのが正解のようです。

館内の設備は比較的整っている方だと思います。Wifi、冷暖房があります。浴衣、シャンプー、ボディーソープ、ドライやーなどもあります。(バスタオルは持参。フェイスタオルのみ)

お大師さまが生まれた場所に泊まらせていただく。この一点だけで、他に代えがきかない宿坊です。

3〜5月と9〜11月のお遍路シーズンは満室になりやすいそうなので、この時期を狙うなら、旅程が決まった時点ですぐ電話を。

③37番 岩本寺|坐禅・写経・サウナまで。いちばん進化している宿坊

四国の宿坊で、いちばん攻めているのが岩本寺だと思います。

高知県四万十町、窪川駅から歩いて10分ほど。前後の札所との距離が長いため、昔から歩き遍路さんがよく泊まってきたお寺です。本堂の天井に575枚もの絵が飾られていることでも知られています。

札所・宗派第37番札所・真言宗智山派
エリア高知県高岡郡四万十町(JR窪川駅から徒歩約10分)
料金の目安素泊まり5,200円〜(要確認)
体験坐禅・写経・護摩・サウナ・焚き火・味噌づくり など
一棟貸し宿坊「華蓮(HANARE)」/1棟30,000円〜(1〜2名)※和室2室+リビング・浴室
チェックイン/アウト15:00〜/10:00
予約方法公式サイトの予約フォーム・電話

境内が見えるサウナ。焚き火。味噌づくりに、上菓子づくり。

「宿坊=静かに耐える場所」というイメージを、いい意味で裏切ってきます。ワーケーション対応の個室まであるくらいでビジネス利用や観光客にも開かれているお寺です。

お寺での坐禅や写経に興味が湧いた方は、私が書いている姉妹サイトもあわせてどうぞ。

④58番 仙遊寺|天然温泉と瀬戸内の絶景(※精進料理は現在中止)

愛媛県今治市、標高300mの作礼山(されいざん)の中腹にある札所です。

宿坊からは今治の市街地、瀬戸内海の島々、しまなみ海道までが一望できます。夜景も美しいと評判で、四国の宿坊のなかでは眺望が図抜けている。お風呂は天然温泉。歩き遍路さんが「ここに泊まるために順番を飛ばして来る」と言うほど愛されてきた宿坊です。

ただ、大事なお知らせがあります。

仙遊寺の名物だった「精進料理」の提供は、現在中止されています。公式サイトにも明記されています。他のサイトではいまも「天然温泉と精進料理の宿坊」として紹介されていることが多いので、ご注意ください。

札所・宗派第58番札所・高野山真言宗(作礼山 千光院 仙遊寺)
エリア愛媛県今治市玉川町(標高約300m)
料金の目安素泊まり5,000円、食事あり8,000円(仕出しのお弁当)
食事精進料理の提供は現在中止
お風呂天然温泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)
朝のお勤め6:00〜 本堂にて。住職の法話あり
写経毎月第一金曜日に写経会
客室全室和室。部屋に風呂・トイレ・洗面はなく共同
予約方法電話のみ

天然温泉と、眺望と、朝6時のお勤めがありがたい宿です。口コミでは法話の評価がとにかく高くて、「聞いていると心が整理される」という声を何度も見かけました。

山寺の静けさに泊まる。そこに価値を見出せる方には、いまも十分すぎるほど魅力のある宿坊だと思います。

⑤24番 最御崎寺 へんろセンター|室戸岬の「願い掛け大師風呂」

室戸岬の山上、室戸スカイラインの途中にある宿坊です。「最御崎寺」と書いて「ほつみさきじ」。

ここで珍しいのが「願い掛け風呂」。浴槽のなかにお大師さまの像があって、そこにお湯をかけながら願いを掛けるというもので、他ではちょっと聞いたことがありません。

札所・宗派第24番札所・真言宗豊山派(通称「東寺」)
エリア高知県室戸市 室戸岬町
客室和室12室・洋室13室(各室トイレ付)
お風呂大浴場あり。弘法大師 願い掛け風呂
食事皿鉢(さわち)料理・カツオのたたきなど土佐の郷土料理が評判
設備コインランドリー・Wi-Fi・駐車場あり
チェックイン/アウト15:00/10:00 ※クレジットカード不可
予約方法電話のみ ※お遍路以外の方も利用可

お遍路の順路では、徳島から高知へ入って最初に迎える大きな山場が室戸岬です。ここまで来た人が、ようやく体を休める場所。だからこそ料理がしっかり出るのだと思います。皿鉢料理に、カツオのたたき。歩いてきた人には、たまらないでしょうね。

十楽寺・立江寺・大寶寺ほか

夏季・冬季に受付していないケースや流動的な場合もありますので、最終的には公式サイトで確認してください。

  • 7番 十楽寺(徳島)|ビジネスホテルのような宿坊。公式サイトのネット予約から空きを確認。
  • 19番 立江寺(徳島)|信徒会館が宿坊。夕方のお勤めに参加できるとのこと
  • 44番 大寶寺(愛媛・久万高原)|宿坊はあるが、現在も営業中かは要確認

四国の宿坊の料金相場と、予約のコツ

相場は1泊2食で10,000円前後

四国の宿坊の料金は、1泊2食付きで10,000前後におさまる所が多いです。高野山の宿坊が1泊2食で1万5000円台〜2万円も軽く超えることを思うと、かなり手頃。

これは「安いから質が低い」という話ではありません。お遍路さんがお手頃で宿泊できるように、宗教施設として抑えた価格で運営されているということです。だからこそ、泊まらせていただく側も感謝を忘れずにいたいと思います。

全国の相場と比べたい方は、宿坊の料金相場|1泊の費用はいくら?もどうぞ。

予約は「電話・早めに・日中に」が基本

電話は日中に。受付が9〜17時のお寺が多いので、早朝や夜間は避けてください。

そしてとにかく早めに。3〜5月と9〜11月のお遍路シーズンは満室になりやすく、当日の飛び込みはまず断られます。とくに食事の準備がありますから、宿坊で飛び込みを嫌がられるのは当然といえば当然なんです。

チェックインは遅くとも17時までに済ませるのが無難です。夕食の時間が18時前後に決まっている宿坊がほとんどなので、遅れると食事を逃します。あとは現金の用意。クレジットカードが使えない宿坊も、けっこうあります。

食事は「精進料理」とは限りません

これも、意外に思われるかもしれません。

宿坊といえば精進料理、というイメージがありますよね。でもとくに四国の宿坊では、カツオのたたきや皿鉢料理といった、ふつうの郷土料理が出ることが少なくないんです。

理由を考えてみて、納得しました。歩き遍路さんは1日20〜30km歩きます。精進料理だけでは、体がもたない。

「明日も歩けるように」というお寺の配慮が、そのまま献立になっている。そう思うと、四国の宿坊のごはんが、とても優しいものに見えてきます。

もちろん精進料理を出す宿坊もあります。精進料理そのものについては精進料理とは?歴史・特徴・宿坊で味わう魅力にまとめました。

「通夜堂」は宿坊ではありません

四国の宿を調べていると、必ず「通夜堂(つやどう)」という言葉に出会います。無料で泊まれると書いてあるので、「宿坊が高いなら通夜堂で」と考える方もいるかもしれません。

ここは、きちんと線を引かせてください。

通夜堂は、野宿しながら歩くお遍路さんのために、お寺が「お接待」として雨風をしのぐ場所を貸してくださっているものです。宿泊サービスではありません。お風呂も寝具も食事もなく、利用には必ずお寺の許可が要ります。

宿に困った歩き遍路さんを救うために用意された場所であって、「無料の宿」ではない。ここは、はっきりしています。観光で四国を訪れた方が「安く泊まれるから」という理由で使う場所ではありません。

6番 安楽寺の鐘撞堂、17番 井戸寺、27番 神峯寺、33番 雪蹊寺、34番 種間寺、47番 八坂寺、51番 石手寺、58番 仙遊寺、66番 雲辺寺などにあります。お寺の厚意で成り立っている文化なので、この記事では「泊まれる場所」として数えていません。

結願したら高野山へ|お礼参りと高野山の宿坊

四国八十八ヶ所を巡り終えることを「結願(けちがん)」といいます。88番 大窪寺で満願を迎えたあと、高野山の奥之院へ「お礼参り」に向かうのが、古くからの習わし。

お遍路は弘法大師と二人で歩く旅(同行二人)とされているので、旅の終わりに、お大師さまがいまも瞑想を続けておられる高野山へご報告に行く。そういう意味があります。

そして高野山には52ヶ寺の宿坊があります。四国では8ヶ所ほどまで減ってしまいましたが、高野山はいまも日本最大の宿坊街。旅の締めくくりに、精進料理と朝の勤行をゆっくり味わう一泊を組み込む方も多い名所です。

四国の宿坊でよくある質問

お遍路をしなくても泊まれますか?

泊まれます。善通寺・岩本寺・最御崎寺などは、お遍路以外の観光客・ビジネス客の宿泊を明確に受け入れています。白衣や納経帳がなくても問題ありません。ただ、宿坊はお遍路さんの生活リズムで動いているので、そこに合わせる気持ちだけは持っていってください。

一人でも泊まれますか?

ほとんどの宿坊が1名から受け付けています。安楽寺・十楽寺・善通寺・岩本寺は、いずれも一人泊が可能。女性の一人旅なら、個室やバス・トイレ付きのお部屋を選ぶと良いかもしれませんね。

当日予約はできますか?

基本的には避けてください。食事の準備があるため、多くの宿坊が遅くとも前日までの予約を求めています(岩本寺のように当日まで受け付けるところもあります)。お遍路シーズンは満室のことも多いので、旅程が決まった時点で連絡するのが確実です。

遍路装束や納経帳は必要ですか?

宿泊するだけなら不要です。白衣(びゃくえ)も金剛杖も、なくて構いません。

ただ、札所を巡って納経(御朱印)をいただくなら、納経帳があると旅の記録が残ります。四国八十八ヶ所には専用の納経帳が用意されているのも、ひとつの文化なんですよね。宿坊のマナー全般は宿坊のマナー・ルール完全ガイドにまとめています。

📿 巡礼用品を揃える

納経帳・御朱印帳を探す

札所巡りの記録に。四国八十八ヶ所の専用納経帳もあります。

冬でも泊まれますか?

宿坊によります。善通寺のいろは会館は12月25日〜1月5日が休業です。一方で、安楽寺・十楽寺・岩本寺は通年で営業しています。冬に四国を訪れるなら、徳島の6番・7番を軸に考えるのが現実的だと思います。

結局、どこに泊まるのがいいですか?

わたしなら、という前提で書きます。

初めての宿坊なら、6番 安楽寺がおすすめです。温泉があって、じゃらん・楽天で空室と料金を見ながら決められる。失敗しにくい場所です。

まとめ|四国の宿坊は「予約できるかどうか」から

四国八十八ヶ所の宿坊は、残念ながら数を減らしています。だからこそ、いま残っている一つひとつが貴重です。

  • いま泊まれる宿坊は8ヶ所ほど。閉業・休業した宿坊を載せたままのサイトが多いので注意
  • じゃらん・楽天で予約できるのは6番 安楽寺のみ。まずはここから検討するのがいちばんラク
  • 善通寺・岩本寺・仙遊寺・最御崎寺は電話予約。手間はかかるけれど、四国らしさはこちらが濃い
  • お遍路をしていなくても泊まれます。ただし、お寺のリズムに合わせる気持ちで

宿坊が初めてなら、温泉のある安楽寺から。ネットで空室と料金を確認しながら計画できるので、旅の組み立てがぐっと楽になります。

🏯 料金を比較する

温泉山 安楽寺 薬師の里(6番札所)

400年の歴史をもつ、四国八十八ヶ所で最大規模の宿坊。弘法大師が発見したと伝わる温泉があります。じゃらん・楽天で空室・料金を確認できます。

※ プラン内容・料金は各予約サイト公式でご確認ください。

関連記事

他のエリアの宿坊も見てみたい方は、こちらもどうぞ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

写経をきっかけにお寺の文化に興味を持ち、宿坊の奥深い世界にすっかり魅了されました。公式情報や宿泊者の口コミを徹底的に調べ上げて、「初めてでも安心して選べる宿坊ガイド」を目指しています。自分自身も少しずつ宿坊を巡りながら、リアルな情報をお届けします。

目次